賃貸物件の退去時は、引越し準備に追われる中で「不用品の処分」を後回しにしてしまいがちです。しかし、持ち家と異なり賃貸ならではの義務やルールがあるため、適切に対応しないと追加費用の請求やトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、賃貸物件の退去時に押さえておきたい不用品処分の基本ルールから、具体的な処分方法、スムーズに進めるためのポイントまでをわかりやすく解説します。引越し直前に慌てないためにも、ぜひ参考にしてください。
賃貸特有の退去時の不用品処分の注意点とは

賃貸物件は「原状回復」の義務がある
賃貸物件から退去する際には、原状回復の義務があります。原状回復とは「賃貸借契約が終了した際に、借主自ら借りていた部屋を入居時の状態に戻すこと」を指します。
入居時の状態に戻すには、設置していた家具・家電や雑貨類の撤去処分はもちろん、転居先へ持参しない不用品も適切に処分しておく必要があります。なお、原状回復には国のガイドラインが設けられており、経年劣化や通常使用による汚損(壁紙の劣化による変色、畳の日焼けなど)はその限りではありません。
原状回復に関する特約事項が契約時に設けられている場合は、その内容に沿って対応しておくことが大切です。そのため、ガイドラインに加えて契約内容も確認しておくと良いでしょう。
共用部分にごみの放置は絶対NG
賃貸物件として利用しているマンション・アパートの共有部分は、入居者全員が利用する場所であるため、ごみを放置してはいけません。退去時のみならず、入居中も共有部への私物放置を行わないよう、消防法でも明記されています。
これは、火災や地震などの災害時に避難経路となることが理由で、避難経路上に残置された私物が原因で被害が拡大するのを防ぐためです。ごみや私物を共有部に放置してしまうと、オーナーの責任が問われる可能性があり、オーナーから原状回復費用や撤去費用が請求される場合もあります。
退去時に不要になったとか処分が間に合わなかったからといって、不用品を共用部分に放置することは絶対にないよう、必ず処分手配を済ませておきましょう。
家具を残したい場合は貸主や管理会社に相談する
エアコン等まだ使用できる家具で、かつ転居先に持参しないときは、一度貸主や管理会社に家具を残していってもいいか相談してみましょう。勝手に置いたまま退去すると「残置物」扱いとなり撤去を求められますが、事前に相談して貸主や管理会社への譲渡が認められればオーナー側の所有物となります。
オーナーに残しても良いと判断されれば、処分の負担軽減につながるだけでなく、次の入居者に利用してもらえる可能性もあります。しかし、勝手に放置してしまうと所有権が借主側に残ったままとなり、貸主にとっては大きな負担となってしまいます。
まだ使える家具や家電を残していきたい場合は、自己判断せずにまずは貸主や管理会社に相談しましょう。相談の結果不要だと判断されてしまった場合は、必ず処分してから退去しましょう。
引越し時に早めに処分しておきたい不用品例

ベッドやソファ、タンス等の大型家具
ベッドやソファ、タンス等の大型家具は、引っ越しまでに早めに処分しておきたい不用品の代表例です。とくに粗大ごみに出す場合は、収集までに時間がかかる自治体が多いため、遅くとも2~3カ月前には申し込み方法などを調べて、処分手配の準備を済ませておく必要があります。
自力で解体・分解して処分する場合も、解体作業に時間と労力がかかります。スプリング入りマットレスのように処理困難物に該当する家具は収集に出せない自治体も多く、別途処分手配が必要です。
売却処分したい場合でも、持ち込んで査定を受けたり、フリマアプリやオークションサイトに出品して、売れるのを待つ必要があり、時間がかかります。大型家具は中古需要が少ないものも多く売却が困難なものも珍しくないため、売れなかった場合は他の方法で廃棄処分する必要があります。
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冷蔵庫や洗濯機等のリサイクル家電
冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンの4品目に該当する家電は、家電リサイクル法で定められた「リサイクル家電」にあたります。これらの家電は粗大ごみに出せないため、早めに販売店や家電量販店、不用品回収業者等に処分を依頼することが大切です。
販売店や家電量販店に依頼する場合、持ち込み限定だったり訪問回収は予約制のところもあります。回収業者に依頼する場合でも、時期によってはかなり先まで予約を取れないことがあります。そのため、早めに手配を済ませて処分しておくと、引越し直前に慌てる心配がなくなります。
売却する選択肢もありますが、古いリサイクル家電は値がつきにくいため、転居先に持参しない古いリサイクル家電は基本的に廃棄処分が必要と考えましょう。
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一般ごみに出せる生活用品や日用品
一般ごみに出せる生活用品や日用品も、引越しまでの早い段階で、少しずつ処分を進めておくと良いでしょう。一般ごみは、可燃ごみ・不燃ごみ・資源ごみなどで収集日が決まっており、品目ごとに分別処分が必要となります。
大量のごみをまとめて出すと近隣とトラブルになるリスクもあるため、小分けにして少しずつ排出することが大切です。作業に時間と手間を要することから、引越し直前ではなく、数カ月前から引っ越し先に持参するもの、処分するものに分別しておくと良いでしょう。
持参するものを事前に減らしておけば、引っ越し費用の節約につながる上に、梱包作業の負担も最小限に抑えられるのでおすすめです。
引越しで出る不用品を処分する方法

自治体のごみ収集を利用する
引っ越しで出る不用品を処分する際は、自治体のごみ収集を利用して廃棄する方法が一般的です。ほとんどの不用品をもっとも安く処分できる方法でもあります。ただし、処分品目によって収集日が異なる他、一度に出せる量に制限が設けられている自治体も多く、計画的に処分を進めていくことが重要です。
急な引っ越しになったケースでは、自治体のごみ収集では対応できない場合もあるでしょう。そのほか、リサイクル家電や処理困難物に指定されているものは原則ごみに出せないため、他の処分方法で廃棄する必要があります。
すべての不用品を自治体のごみ収集で処分できるとは限らないため、特に大型の家具や構造が複雑な家具を処分する予定がある場合は注意が必要です。
引越し業者に引越し時に引き取ってもらう
退去時の不用品は、引越し業者に引っ越し作業時に引き取ってもらう選択肢もあります。一部の引っ越し業者は、引越しと同時に不用品の回収や買取を行っている場合があるため、このようなサービスを利用できれば処分もスムーズです。
ただし、業者指定の家具・家電に限られる場合があるほか、そもそも対応してもらえる業者がかなり限定されるため、必ずしも利用できるサービスではありません。また、買取の場合を除いて引っ越し料金に処分費用が追加されるため、自治体のごみ収集サービスを利用するよりも費用がかかる点に注意が必要です。
引っ越し業者に引っ越し時の不用品引き取りや買取を依頼したい場合は、引越し業者に見積もりを依頼した段階で相談しておくと良いでしょう。
リサイクルショップに売却する
賃貸物件の退去に合わせてまだ使えそうな家具や家電、雑貨類を処分したい場合は、リサイクルショップに持ち込んで売却するのも方法の1つです。売却できれば処分費用がかからない上に、出張買取なら大型の家具や家電も搬出してもらえます。
ただし、製造から5年以上経った家電や使い古した家具は値がつきにくく、結果的に廃棄処分の手配が必要になるケースがほとんどです。また、組み立て式の家具は、解体後の再組み立てができないという理由でほぼ買取不可となります。
衣類や書籍、食器など日用品・生活雑貨などは、まとめて持ち込んで売却するのも良いでしょう。ただし、家具・家電と同様に、古いものや状態が悪いものは買い取ってもらえない場合が多いので、廃棄も想定して早めに査定に出すことをおすすめします。
不用品回収業者に処分を依頼する
賃貸物件の退去時に不用品をまとめて処分したい場合、不用品回収業者に処分を依頼するのもおすすめです。不用品回収業者なら、種類や大きさを問わず不用品ならなんでも回収してもらえる上、解体・分別・搬出の負担もありません。
自治体の粗大ごみ収集等と違い、最短で依頼当日の回収にも対応している業者が多いので、退去が迫り処分を急ぎたい方にも適しています。急な引っ越しや、引越し直前に不用品が出た場合にも依頼できて便利です。事前の梱包や搬出も不要なので、大型家具家電の搬出が難しい単身者の引越し時にも利用しやすいでしょう。
ただし、自治体のごみ収集サービスと比較すると、料金は割高になります。お得なパック料金や引越しサービスを用意している業者も多いので、それらを上手に活用すると費用を抑えて不用品を処分できるでしょう。
まとめ
賃貸物件から退去する際の不用品処分は、単に粗大ごみや不用品を捨てるだけでなく、原状回復や契約内容、近隣への配慮などを踏まえた対応が求められます。特に大型家具やリサイクル家電は処分に手間と時間がかかるため、早めかつ計画的に進めることが重要です。
不用品の処分方法には、自治体のごみ収集・引越し業者・リサイクルショップ・不用品回収業者など複数の選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。状況やスケジュール、費用感に応じて最適な方法を選びましょう。
退去時の不用品処分は、余裕を持って準備を進めることで無駄な出費やトラブルを防ぐことにもつながります。引越しを控えている方は、ぜひ本記事の内容を参考に、計画的に不用品処分を進めてみてください。
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