神棚の処分方法5選と処分時の注意点・タイミング

神棚とは、神道において、家や事務所の中に設けられた神様を祀るための特別な棚、小さな神社を指します。神聖なものなので、引っ越しをするときや建物を売却するときには神棚の扱いに困ることもあるでしょう。

本記事では、神棚の処分方法や処分時の注意点などについてお伝えします。

神棚の処分方法5選

神棚を処分する方法は、主に以下の5つです。

• 粗大ゴミまたは可燃ゴミに出す
• 神社に「お焚き上げ」を依頼する
• 神棚の販売店に引き取りを依頼する
• 不用品回収業者・遺品整理業者に依頼する
• どんど焼き（左義長）に持っていく

粗大ゴミまたは可燃ゴミに出す

まず、「神棚」をゴミとして出すのはおすすめする方法ではありません。宗教的な物の処分を受け付けていない自治体もあるので、必ず自治体に確認するようにして下さい。

神棚は、神道の信仰において「神霊が宿る」重要な物として考えられているので、通常は神棚は儀式的に解体して、木材や神具などを適切に処分する必要があります。

可能であれば、他の処分方法をご検討ください。

どうしてもゴミとして処分するしかない場合ですが、神棚はヒノキやケヤキなどの木でできているため、素材としては可燃ゴミに該当しますが、必ず自治体に確認して分別するようにしましょう。

神聖なものなので他のゴミとは分け、お塩を振って「お清め」して出すのがおすすめです。

神社に「お焚き上げ」を依頼する

神聖な神棚をゴミとして扱うのは宗教上問題があるため、できるだけ神社に祈祷と「お焚き上げ」を依頼するのがよいでしょう。

とくに、神棚に神主さんによる「魂入れ」をしてもらっている場合は、「魂抜き」を行う必要があります。「魂抜き」を行えば、神様が宿っていない状態になるとされているので、ゴミとして処分しやすくなります。

持ち込むのは近くの神社でもかまいませんが、神社によっては郵送で対応しているので活用してもよいでしょう。

神棚の販売店に引き取りを依頼する

神棚の販売店では、買い替えに際して引き取りを行っていることも多いものです。引き取った神棚は販売店が神社などに持ち込み、「お焚き上げ」を行ったうえで処分してくれるので、安心して任せることができます。

ただし、基本的には新しい神棚を購入する人に対するサービスなので、単に処分したいだけの人には向きません。

不用品回収業者・遺品整理業者に依頼する

不用品回収業者や遺品整理業者にも、「お焚き上げ」を行ったうえで処分してくれるサービスを提供しているところがあります。

実家の片付けや引っ越しで出たその他の不用品とまとめて処分を依頼できるため、処分にかかる手間を最小限に抑えることができます。

希望の日時で自宅まで取りに来てもらえることから、急ぎで処分が必要になった場合にも便利です。

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どんど焼き（左義長）に持っていく

タイミングが合えば、「どんど焼き」（左義長）に持ち込み、「お焚き上げ」を行ってもらうこともできます。

「どんど焼き」とは、毎年1月15日ごろに各地の神社で行われる伝統的な火祭りです。持ち込めるのは神棚や神具、お守り、正月飾り、お札など神様からの授与品で、清浄な火である忌火で「魂抜き」を行います。正月明けに神棚を処分したい場合には利用してもよいでしょう。

神棚を処分する際の注意点

「魂入れ」をした神棚は「魂抜き」が必要

「魂入れ」とは、無病息災や家内安全を祈願し、神様をお迎えする儀式です。一般的には、神棚を祀るときに、神社に持ち込み、神主さんが祈祷を行っての後に「魂入れ」を行いします。

一方、神棚を動かしたり処分したりするときは、「魂抜き」（焼納）を行う必要があります。「魂抜き」に出すときは、神様への感謝を込めて綺麗に掃除をしておきましょう。

引っ越しをする場合は、「魂抜き」とは別に、地元の神社に参拝して引っ越す旨を神様に報告すると丁寧です。

神棚に供えたお札は神社に返却する

神棚にお供えしていたお札にも神様が宿っているとされています。お供えしていたお札は、もらった神社に返納しましょう。

どこに返納したらよいのかわからない、もらった神社が遠いという場合には、返納所が設けられている近くの神社に持ち込むこともできます。

近くに別の神社でもらったお札を返納できる神社がない場合は、郵送で返納に対応している神社に頼むのがおすすめです。

神具はお焚き上げに出せない

神様からの授与品のうち燃やせるものであればお焚き上げに出すことができます。一方で、陶器類や金属類、神鏡などの神具は、不燃物なので「お焚き上げ」に出すことができない点に注意が必要です。

陶器類や金属類、神鏡の引き取りが可能な神社もあるため、まずは神社に問い合わせてみましょう。そのほか、神具の引き取りを行っている神棚の販売店に依頼することも可能です。

どうしても引き取り先が見つからないときは、塩を振って「お清め」をしたあとに不燃ゴミや粗大ゴミとして排出することもできます。

神棚の処分はいつがいい？おすすめのタイミング

汚れや痛みが目立ってきた時

神棚の処分に決まった年数はありません。一般的には5～10年程度ですが、汚れや痛みが目立って来たら神棚の交換を行うのが通常です。

神棚は神様が宿る神聖な場所とされているので。みすぼらしい状態が良いとはいえません。神様が気持ちよく過ごしてもらえるよう、神棚の状態が悪くなってきたら交換するほうがよいでしょう。

引っ越しやリフォームで住まいが新しくなった時

引っ越しやリフォームをする際には、神棚を交換するのが一般的とされています。住まいが新しく、綺麗になるのに合わせて、神様の宿る場所も新しくするという考え方です。

そのほか、気分を変えたいタイミングも神棚の変え時です。悪いことや気分が暗くなることが続いていれば、引っ越しやリフォームの予定がなくても神棚を新調してみましょう。

式年遷宮が行われる時

神道の神事、「式年遷宮」が行われるタイミングも神棚の交換にはおすすめとされています。式年遷宮とは、伊勢神宮が新しい神殿で神様をお迎えするために20年に1度行う、お宮の作り替えです。

伊勢神宮は、天照大御神（あまてらすおおみかみ）が祀られていることから、全国に8万社あるといわれている神社のなかでも、日本最高位と称されます。

一般の家庭でも、この伊勢神宮の式年遷宮に合わせて神棚の交換を行うことがあります。

神棚処分のよくある質問と回答

ゴミに出す時にした方がいいことはある？

神棚や神具をゴミとして出す場合は、お塩をまいて、清めてから出すようにしましょう。塩は古くから貴重なもので、神様にもお供えされており、神道では邪気を払う「お祓い」の意味も持ちます。

お焚き上げに出す時間がないなど、どうしても神棚をゴミとして捨てなければならないときは活用するとよいでしょう。

お供えものの米やお酒、お菓子はどうすべき？

神棚には神具やお札のほかに、お供えものとしてお米やお酒、お菓子が置かれることがあります。これらのお供えものは縁起物なので、捨てずに料理などに使うのがよいとされています。

神道ではお供えものには神様の力が宿るという考えがあり、神様のお下がりとしてお供えものをいただくことを撤下神饌（てっかしんせん）と呼んでいます。

体内の邪気を払い、無病息災を祈るものとされるため、痛む前に家族で食事としていただきましょう。

まとめ

本記事は神棚の処分方法と処分時の注意点、処分するタイミングをお伝えしました。

神棚は神様が宿る小さな神社と考えられています。処分や買い替えをするときは、できるだけ神社や神棚の販売店に出して、「魂抜き」を行うようにしましょう。

引っ越しや遺品整理などその他の不用品と一緒に処分する場合は、不用品回収業者や遺品整理業者などの利用が便利です。

どうしてもゴミとして処分しなければならない場合は、お塩を振って、清めてから処分するようにしましょう。

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