いまやどの家にもあるであろう電化製品ですが、故障などの際の処分の際に困るのが「ごみに出せるかどうか」という点です。
大きな電化製品はごみに出しても回収してもらえない自治体が多く、小さい電化製品も自治体によってごみの分類はさまざまです。
本記事では、電化製品の種類とそれぞれの処分方法、ごみに出せるものと出せないものの違いについて、詳しく解説します。
家庭にある電化製品は大きく3種類
一般家庭にある電化製品には、大きく以下の3種類があります。
- 「家電リサイクル法」の対象品
- 「小型家電リサイクル法」の対象品
- 「資源有効活用利用促進法」の対象品
1つずつ、詳しくみていきましょう。
「家電リサイクル法」対象の家電4品目
テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の通称「家電4品目」は、家電リサイクル法の対象品です。
家電リサイクル法は、特定の家電に使われている部品や材料をリサイクルし、資源の有効活用と廃棄物減量のために作られた法律です。対象品目は、法律によってリサイクルが義務付けられています。
なお、テレビにはブラウン管テレビ、液晶テレビ、プラズマテレビのいずれもが該当しますが、有機ELテレビは該当しません。
参考:
エアコンの処分方法
洗濯機の処分方法
冷蔵庫の処分方法
「小型家電リサイクル法」対象の小型家電
家電リサイクル法の対象外の家電、つまり家電4品目を除くほとんどの電化製品は、小型家電リサイクル法の対象品です。
小型家電リサイクル法は、使い終わった小型電子機器に使われている部品や材料の再資源化を促進するために作られた法律です。
対象品目の例として、スマートフォン、電子レンジ、炊飯器、掃除機、カメラ、ゲーム機、電源アダプター、電動カミソリなどがあります。
「資源有効利用促進法」対象のパソコン
一般的な家庭用のパソコンは、資源有効利用促進法の対象品です。
資源有効利用促進法は、循環型社会を実現するための3R(リデュース・リユース・リサイクル)を促進するために作られた法律です。
この法律では、メーカーによるデスクトップパソコン、ノートパソコン、ディスプレイの3つの回収とリサイクルを義務付けています。対象品目がパソコンのため、「パソコンリサイクル法」と呼ばれることもあります。
家庭用パソコンは小型家電リサイクルも利用できる
実は、家庭用パソコンは資源有効利用促進法と小型家電リサイクル法、両方の対象品になっています。
資源有効利用促進法により、自治体によるパソコン回収は基本的に行われていないため、原則はメーカーや販売店にリサイクルを依頼することになります。
しかし、ノートパソコンのような比較的小型のパソコンであれば、小型家電回収ボックスを利用して処分することも可能です。
ごみに出せない電化製品とごみに出せる電化製品
それでは3種類の電化製品のうち、ごみとして処分できるもの・できないものを確認していきましょう。
家電4品目とパソコンは原則ごみに出せない
家電リサイクル法対象の家電4品目(テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機)と資源有効利用促進法対象のパソコンは、基本的に自治体による収集が行われていません。
そのため、家電4品目とパソコンはごみに出すことができません。ごく一部、収集を行っている自治体もありますが、基本的にごみ収集は利用できないと考えましょう。
粗大ごみとしてゴミ置き場に放置される事案がありますが、これは「不法投棄」に該当し、法律違反となります。
小型家電は多くの自治体でごみに出せる
使用済小型家電は、多くの自治体でごみとして収集が行われています。
ただし、分別や出し方は自治体によって大きく異なるため、ごみに出す際はルールの確認が必要です。
また、品目によっては収集がなく、回収ボックスを利用しなければならない場合もあります。
電化製品を処分する方法
ここからは、具体的に電化製品を処分する方法をみていきましょう。
電化製品を処分する方法は、以下の7つがあります。
- 販売店やメーカーに回収してもらう
- 家電量販店の回収サービスを利用する
- 買い替え時に引き取ってもらう
- 小型家電回収ボックスを利用する
- リサイクルショップに売却する
- フリマアプリやネットオークションで売却する
- 不用品回収業者に依頼する
販売店やメーカーに回収してもらう
家電リサイクル法と資源有効利用促進法対象の製品は、リサイクルが義務付けられているため、販売店やメーカーによって回収が行われています。
家電4品目は、処分の際に所定のリサイクル料金の支払いが必要です。加えて、ほとんどの場合で運搬費や手数料がかかります。
パソコンの場合、PCリサイクルマークが付いたものであれば、メーカーに依頼すれば無料で処分できます。PCリサイクルマークがない場合やメーカーが倒産や事業撤退している場合は、パソコン3R推進協会が回収を受け付けていますが、「回収再資源化料金」の支払いが発生します。
家電量販店の回収サービスを利用する
大手家電量販店が提供している家電回収サービスを利用すれば、どんな電化製品でも回収してもらうことができます。サービス対象であれば、リサイクル家電やパソコンでも利用可能です。
注意点として、回収可能な品目や回収にかかる料金はお店によって異なります。電化製品の大きさや種類によっても料金は変わるため、事前にサービス内容をよく調べ、他の方法とも比較してから判断するといいでしょう。
買い替え時に引き取ってもらう
新しい家電を購入する場合、家電の種類によっては購入したお店で古い電化製品を引き取ってもらうことができます。
通常、家電の引き取りには必ず料金がかかりますが、買い替えの場合はリサイクル料金や運搬費が無料になったり、下取り扱いで新しい家電から値引きしてもらえることも。
処分のみの場合は当然利用できませんが、買い替えを検討しているならおすすめの方法です。
小型家電回収ボックスを利用する
小さい使用済小型家電は、地域の施設に設置されている小型家電回収ボックスに入れることができます。一般的に小型家電回収ボックスは、市役所や図書館、大型ショッピングセンター、体育館など公共性の高い施設にあります。
ただし、ボックスの投入口は15cm×30cm程度なので、投入口に入らない家電は利用できません。
リサイクルショップに売却する
まだ使える電化製品であれば、リサイクルショップに売却するのも1つの手です。古い電化製品は売れにくいものの、新品だと値の張る製品が多いため、中古でも需要の高いものが多くあります。
売却しやすいのは、長年使える家電リサイクル法対象の4品目や、購入から日が浅く新品に近いものです。日本メーカーの製品や人気ブランドの製品は、高値で売れる可能性があります。
フリマアプリやネットオークションで売却する
フリマアプリやネットオークションを使って、電化製品を売却することもできます。リサイクルショップでは買取を断られてしまった品でも、個人間取引であれば売れる可能性があります。
ただし、すぐに買い手が見つかるとは限らない点と、配送に手間とお金がかかる点には注意が必要です。時間をかけてでもお金に換えたい場合に、有効な方法といえるでしょう。
不用品回収業者に依頼する
電化製品の処分は、不用品回収業者に依頼することができます。不用品回収なら、リサイクル家電からパソコン、小型家電まで、どんな電化製品も回収してもらえます。また、家具や衣類、雑貨等の不用品も、まとめて引き取ってくれます。取り外しや運び出しを全て行ってもらえる点も、大きなメリットです。
一方で、作業費や運搬費等がかかることもあり、他の処分方法よりも料金がかかります。処分を急いでいる、手間をかけられない、自力での運搬が困難というような場合に、依頼を検討するのがよいでしょう。
電化製品の寿命と売却の目安
最後は、電化製品の寿命と売却の目安についてご紹介します。
電化製品を処分するか迷ったときに、ぜひ参考にしてください。
電化製品の寿命は5〜10年
一般的に、電化製品の寿命は5~10年です。大きいものほど寿命が長い傾向があり、大型の家電で7〜10年、小型の家電で3〜5年です。
ただし、製品によって寿命は異なるため、メーカーの部品保有期間を目安にするとよいでしょう。もちろん、使用頻度が高かったり使う環境が悪かったりすれば、その分だけ寿命は短くなります。
売却するなら製造5年以内が目安
売却を考えるのであれば、製造から5年以内のものが目安となります。
製造5年を超えると型落ち品としての需要も低くなるため、値がつきにくくなるだけでなく、買取を断られることが多くなります。人気製品であっても、10年を超えると売却は困難でしょう。
フリマアプリやネットオークションであれば、製造5年を超えた電化製品でも売れる可能性はありますが、買い手が見つかるまで時間がかかることは覚悟しておかなければいけません。
電化製品の処分方法まとめ
本記事は、電化製品の適切な処分方法についてお伝えしました。
電化製品は大きく家電4品目・小型家電・パソコンの3種類に分類され、家電4品目とパソコンはごみに出せません。ごみに出せない電化製品は、販売店やメーカーの回収サービスや量販店の回収サービスを利用しましょう。
売却できる家電は基本的に製造から5年以内のものに限られるため、売却したい場合は早めに決断することをおすすめします。
運び出しが難しい大型家電や取り外しが必要な電化製品の処分、引っ越し等の事情で処分を急ぐ場合などには、不用品回収がおすすめです。
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